~前書き~
みなさん、(お前今月何本駄文を書き散らかすんだよ、、、)と辟易してるのは重々承知してます。自分でも睡眠時間削って何してんだっては思ってます
しかし、敢えて書かせて頂きます
しがないmtg未熟者にとって、コロナ禍の中でも、mtgのことを考えてるときがやっぱり楽しいのです。あ、自己紹介が遅れました。フルちんです。
さて、今回も【統率者これからのめり込んでいきたい人向け】と称してやっていくわけですが、執筆者としてここで発表します。
実は3部作として書いてます。
いやどういうこと?全く前回前々回接点ないじゃん、アホなの?そうですアホです。
私がアホということで片を付けてしまっては元も子もないので、説明していきます。
まず、【統率者これからのめり込んでいきたい人向け】と称している前回前々回、そして今回について、これはもう読んで字の如く、これからEDHを強くして、がっつり楽しみたい人に向けて
「統率者をもっと楽しみたい!けど、色んな記事があるからよく分からない!」
「そんなに高いカードは買えない!けど、お気に入りのデッキを勝てるようにしていきたい!」
「よく無限コンボって書かれてるけどどう動かしたら出来るの?」
「なんかいつの間にか狙われるんだけどなんで?」
「どーしてエルフやゴブリンの村は焼かなくちゃいけないの?かわいそう!」
といった、私が、よくご一緒させて頂くコミュニティ、Fの集団の皆様を始め、卓を囲んで頂いた皆様との対戦から得た経験や知識、構築感をフィードバックし、言語化して皆様にお届けする、というコンセプトで書かせて頂いております。そして書いてる私自身は「自分の記事もみなさんの思う【色んな記事】に一括りにされるんだろうなぁ」と分かった上で書いてます。正に本末転倒。
※ちなみに、エルフやゴブリンの村を焼かないといけない理由は「放っておくと圧倒的な物量で踏み潰されるから」です。一回の戦闘で普通に合計3ケタ以上をたたき出せちゃうので、大人しくマスデスしましょう。かわいそうなんて思ってはいけないのです
そして今回はその3部作最後の記事となるのですが、タイトルにもあるとおり、今回のテーマはデッキを「弱くする」ということ。
何か別な、オブラートに包んだ表現があるのでは?とここ数日ずっと思っていましたが、「これからEDHを強くしたい」と考えている人に対して説明するなら、どう考えてもこの言葉がしっくりきてしまいました。最終的には皆様に納得して読み終えていただけるように、書いていきます。
尚、今回も例の如く、カード全てを説明することは出来ないので、詳しい効果を知りたい方はお手数ですがMTGWiki様などで各々調べていただけると幸いです。以下URL
http://www.mtgwiki.com/wiki/%E3%83%A1%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%82%B8
それでは今回も超長文の駄文が続きますので目次から。今回も~○○~の形で切っていきます。
目次
1:デッキリスト
2:統率者とコンセプト
3:「弱くする」という考え方
4:デチューンの手順
5:ピックアップカードの紹介
6:おわりに
~1:デッキリスト~
【統率者】
墓場波、ムルドローサ
【土地】
冠雪の島 3枚
島
冠雪の沼
沼 3枚
冠雪の森
森 3枚
樹皮路の小道/潮水路の小道
清水の小道/泥水の小道
汚染された三角州
変遷の泉
育成泥炭地
黄昏のぬかるみ
変遷の泉
下生えの闘技場
湿った墓
草むした墓
繁殖池
ディミーアの水路
ゴルガリの腐敗農場
シミックの成長室
花盛りの湿地
植物の聖域
統率の塔
ゼイゴスのトライオーム
華やかな宮殿
睡蓮の原野
死者の原野
地盤の際
埋没した廃墟
統率の灯台
【クリーチャー】
臓物の予見者
極楽鳥
水蓮のコブラ
とぐろ巻きの巫女
船殻破り
迷える探求者、梓
むら気な長剣歯
再利用の賢者
刻み角
永遠の証人
イリーシア木立のドライアド
つややかな雄鹿
冒涜する者、トーモッド
オリークの伝承魔道士
概念泥棒
人質取り
熟考漂い
墓破りのラミア
酸のスライム
スカラベの神
水底のドルイド、タトヨヴァ
深海の破滅、ジャイルーダ
絢爛なビヒモス
ゼンティカーの報復者
星界の大蛇、コーマ
飢餓の声、ヴォリンクレックス
頂点壊滅獣
【ソーサリー】
入念な研究
生/死
遥か見
探検
不可視の一瞥
意外な授かり物
スカイシュラウドの要求
選別の儀式
生ける屍
【インスタント】
思考掃き
秘儀の否定
対抗呪文
【エンチャント】
ケイヤ式幽体化
海の神のお告げ
原基の印象
カルニの心臓の探検
破滅の印象
狩猟の神のお告げ
破滅的な行為
スゥルタイの隆盛
古き神々への拘束
最古再誕
【プレインズウォーカー】
覆いを割く者、ナーセット
夢を引き裂く者、アショク
記憶の熟達者、ジェイス
生命の力、ニッサ
秘宝探求者、ヴラスカ
呪われた狩人、ガラク
頂点捕食者、ガラク
【アーティファクト】
太陽の指輪
ディミーアの印鑑
ゴルガリの印鑑
シミックの印鑑
反発のタリスマン
好奇のタリスマン
忘却石
ネビニラルの円盤
~2:統率者とコンセプト~
今回の統率者は【墓場波、ムルドローサ】になります。いつも通り、テキスト原文からスペックを記載します。
墓場波、ムルドローサ 3黒緑青
伝説のクリーチャー-エレメンタル・アバター
あなたの各ターンの間、あなたはあなたの墓地から各パーマネント・タイプのパーマネント・カードをそれぞれ最大1枚プレイしてもよい。
(カード1枚が複数のパーマネント・タイプを持っているなら、それをプレイするに際し、1つを選ぶ)
6/6
(テキスト原文から、フレーバーテキストを割愛)
はい。回りくどいですが、色々ダメなことが書いてあります笑
クリーチャーのスペックとしては6マナ6/6、除去耐性や回避能力は有りませんが、EDH的に強い色を上から3色使ってる点だけでレベル5ぐらいからそこら辺の統率者よりヘイトが高いです。
そして何が1番ダメかってその能力。テキストはややこしく書いてありますが、要は自分のターン中なら墓地からインスタント、ソーサリー以外1つずつ使って良いよってちょっと何言ってるか分かりません物凄いリソース確保能力を持ってます。
ムルドローサを統率者に指定した今回の私、いや、私でなくともこんなコンセプトになるのではないでしょうか。
【墓地から色々吊り上げたり使い回して遊びたい!】
はい、何の面白みもない(やること自体は面白い)のですが、今回はこちらをコンセプトに作っていきます。
ただし、今回は敢えて「弱くする」ということも大切なポイントです。何故弱くするのか、何から弱くするのか。その点も踏まえて、次項に進みましょう。
~3:「弱くする」という考え方~
はい、先ず「お前このデッキ初めて紹介するんだから弱いもクソもないだろ」と思ってる方が大多数だと思うので、何から弱くするかから考えていきましょう。
ぶっちゃけてしまえば、恐らくですが、今回挙げたリストよりも、
黒緑青3色の組み合わせで作れる無限コンボと、各色の汎用パーツとサーチ呪文を雑に突っ込んだデッキの方が100倍強いです。
「え?」と思われるかもしれませんが、それが事実であり心理です。
あくまでEDHにかける予算を青天井にしたと仮定して、ですが、この黒緑青の3色は
【中身さえしっかりしてれば、統率者はお飾りでもcEDHとして認められるくらい強くなれる】
と個人的には解釈しています。つまり、各色の汎用パーツと言われるカードを過不足なく使用できるレベル帯に達していれば、色だけで他の大抵の単色や2色、他の3色の組み合わせの統率者とはゲーム開始時から危険度が違うと認識されている、といっても過言ではないのです。そこら辺は詳しくは他の方に任せるとして、私がざっくりと何点か説明すると
・各色のドローや強力なサーチ呪文によって序盤から終盤まで動きが安定する(基本的なスペックの高さ)
・ランパン、マナファクトどちらとも親和性があり、マナ基盤を安定させやすく、一時的な加速もあり爆発力がある(カラーパイによる優位性)
・青の打ち消しやバウンス、黒の生物・PW除去、緑のアーティファクト・エンチャント破壊と守備も隙が無い(役割の相互補完)
等々、挙げれば枚挙に暇がないです。
これはあくまでコンボに振った、所謂皆様が考えるcEDH的なデッキを作ると仮定した場合ですが、某サイトでは「この3色が含まれていなければ人権は無いに等しい」というニュアンスの言葉が出るくらいの環境(反発する意見が一時期飛び交っていましたね、)なので、そこだけ覚えて頂ければ良いです。
「貴様の駄文を読みに来る奴なんてcEDHに興味があるわけ無いだろうが」と思ってる方々が大多数だと思いますが、仮にコンボに振らなかったとしても、ムルドローサの能力だけでコイツは強力かつ害悪な統率者になってしまいます。
何故か、ディード(破滅的な行為)と露天鉱床を使い回せるからです
どんな効果なのかは他のサイトに任せるとして、使い回されるとどうなるか
対戦相手の盤面がぺんぺん草も生えなくなります
抜け道が無いことは無いですが、ロックが成立した段階である程度マナを必要とする勝ち筋をほぼほぼ潰してしまいます。
実は私がこのムルドローサを組む遙か昔に、有志Seagal氏によって作られた、コントロール型フルパワームルドローサと対峙したことがあります(意図せずですが、私は無意識にここから「弱くしている」のだと書いてて気がつきました)。
正直、友人に向けてはいけない感情を向けそうになりました。
2枚がムルドローサが出てる状態で揃うと、何も出来ない、させてくれない、次に壊されるのが分かってるから展開するのも二の足を踏む、といった他重苦に襲われるので、このときばかりはSeagal氏がシャカパチするごとに一発ビンタしても誰も文句言わないんじゃないかな?と内心思ってました(大先輩なのにすいません)
と、Seagal氏に(一方的に)向けられた負の感情は置いておいて、正味ムルドローサを軸に作るコントロール型はコンボ型よりもたちが悪いです。キルターンが相対的に遅くなるので、相手に待ちの時間を作らせるけど、何も出来ないので虚無になる、といった状況下に置かれやすくなり、なにより構築も突き詰めると
ディードと露天鉱床と2つで対応できないものへの対策と、それらを引っ張ってくるサーチと汎用パーツでほぼ毎回同じ動きが出来るデッキが完成します。
という具合に、99枚の内、ほぼ別なカードが入っているはずなのに、同じゲームのリプレイを見てるような錯覚に陥る構成が可能です。
「言いたいことは分かったけど、それが強みであって、やりたいことならいいんじゃない?」と思われる方が大多数だと思います。何故なら、「デッキを構築する予算を度外視して構築するなら」物凄い強いデッキを作れますよ、と説明してるだけだからです。しかしたった今、大事な事が出ました。
今回のムルドローサを「弱くする」で皆様にお伝えしたいのは、「デッキビルディングの落としどころを見つける」ということです。
そもそもmtgというもの自体が、プレイしている99%の人間にとって【娯楽】であり【ホビー】なのです。そして、mtg自体にかけられる熱意や予算も、人によって千差万別です。
つまり、全員が全員、このTCGにありったけの(熱量を含めた)資源をつぎ込んではいない、ということです。コレを執筆している私も、ご視聴頂いている方々の大多数も。
本段落の前半で説明した、カラーリングを含めたムルドローサの説明は、いわばcEDHとして組み上げた場合のお話。しかし、そこに到達するには(持っているカード資産によって個人差は生まれますが)自身に多大な負荷をかけると共に、「相手を選ぶデッキになる」という制約を付与することになります。
正直、(私自身もcEDHの統率者と卓を囲んだことは統計を取れるほど多くはありませんが)、cEDHの環境、レベル帯で言えば7以上のデッキ(結構YouTubeに載ってる動画はここら辺が多いかと思います)はEDHのCommander is for fun(統率者は誰でも楽しむことが出来る、と私は意訳してます)の精神とは少し離れた位置にあると思っています。それを動画で楽しそうに見せられるのは卓の全員がレベル帯による認識を共有して、近いレベル帯同士でぶつけあっているからです。
「では、今回のムルドローサを始め、黒緑青を含むデッキは、汎用パーツと統率者と親和性の高いパーツを揃えたらcEDHになってしまうのか、シナジーや統率者を活かせる要素の薄い、カジュアル寄りかコンボや圧倒的なロックによるガチガチ寄りかの2択になってしまうのか」私はそうは思いたくありませんし、これから統率者にのめり込んでいきたい人達がそんな理由でお気に入りのカードを統率者に指定することを諦めて欲しくありません(事実私はこのムルドローサをフィニッシャーに据えたデッキを当時のスタンで使い回して遊んでました。一応店舗大会でそれなりの結果も残しているので、ムルドローサ自体、私にとって思い出の1枚でもあるのです)。何故なら、mtgには沢山のカードが存在していて、無限とも言える可能性があるからです。
「これからデッキを強くしていきたい」と思ってる人にとって、汎用性の高いパーツや強力なコンボカードは魅力的に見えることでしょう。何故ならそれらは他の先駆者達が研究し実践して強さを証明されたものなのだから。
しかし、それはあくまで「強さを追い求めた結果いきついた戦法」であり、「他の戦法、もしくはそれと同等の強さを持つもの以外はノイズでしかない」ということにはならないのです。
お気に入りのカードやカードやスタンダードで苦楽を共にしたコンセプトやシナジーを活かすこともまた一興、共存し得なかったカード達との会合で見えてくる新たな発見。「勝利という結果」のみを追い求めると、金銭面、採用基準等様々な障害が生まれてきます。そんなときでもどうかデッキを作っていく上で生まれる期待感というものを、忘れないでいて下さい。なぜなら、Commander is for funなのですから(この言葉便利だなおい)
、、、なんか綺麗事並べて幕を引きそうですが全然まだまだ中盤戦です。
高尚なことを低俗な人間が宣ったところで、「今回のムルドローサ、結局どうしたいんだ?」というところにお思いかと思います
私としては、みなさんに分かりやすいようにレベル帯でお伝えすると
限りなくレベル5に近い4か、限りなくレベル4に近い5
というレベルの境目を狙ってデチューンをさせて頂きました。予想した実践の展開としては
「レベル4同士だと魔王戦になっても勝ちに行ける」
「レベル5同士だと戦法を練っていかないと勝てない」
位のレベルに収めております。
先にTwitterの方でリスト公開してアンケートをとった結果、大体それくらいのレベルではという意見も頂けた(あれ選択肢4つしかないから誘導尋問になってしまったかもしれませんが)ので、では次項から、デチューンの手順について、説明していきます。具体的には
0:コンボや追加ターンを入れるか(大前提)
1:理想型からどこまで引き離すか
2:どこまでデッキを安定させるか
3:統率者とのシナジーをどう活かすか
の4点から解説をしていきます。
~4:デチューンの手順~
0:コンボや追加ターンを入れるか(大前提)
先ずは大前提として黒緑青のコンボや追加ターンを入れるかどうかについて、といっても強力な無限コンボはまず構築の段階で私は除外しました。これは公式のレベル帯の見解としても入れるべきではないし、何より
ムルドローサの能力を活かすことよりも、コンボによって勝つことを目指すデッキになることを抑制するため
でもあります。
次に追加ターンについて、これはムルドローサの能力を考慮すると、
他のカードとのシナジーで、実質的な無限ターンを成立させる
ことが可能性として出てくるため除外しました。要は「無限ターンに繋がるからこのカードは採用しない」というカードを作らないためです。
具体的には墓地からインスタントやソーサリーを回収できるパーマネントとサクリ台が、ムルドローサを目指すレベル帯まで引き上げるなら採用していてもおかしくない、と考えたからです。
上記の点から、今回のムルドローサの理想型としては私がトラウマになっているコントロール型となりました。
1:理想型からどこまで引き離すか
無限コンボと追加ターンの有無、コントロール型として組むことが決まったところで次に理想型からどこまで引き離すか、というところになります。
理想型としては先述の通り、「ディード(破滅的な行為)で流して露天鉱床などで土地も潰して相手に何もさせない」という形になります。
まず考えたのは「現物を入れるかどうか」ということです。
破滅的な行為について、これは採用することにしました。このカードについては奴のエルフの村を焼き払うのにうってつけだから私がやりたいことの始発点の1つとして存在するので、そうなると「抜くなら他のジェネラルで良いよね」ってことになってしまいかねないので、採用に至りました。
ただ、流石に1/99のカードをライブラリーからのドローで引き当てるのは難しいので、ムルドローサを巻き込む可能性はありますが、破滅的な行為同様使い回せる、忘却石とネビニラルの円盤も採用して水増しを行っています。
そして露天鉱床について、こちらは不採用としました。理由としては
・まず持ってない。
「EDHじゃ汎用パーツだからそれ笑持ってないとか草」とか思われても別に構いません。持ってないものは持ってないのです。
・結局露天鉱床と破滅的な行為を探すデッキに行きつくことを避けるため
正味私も一般人からしたらかなり危ないレベルのmtgオタクのため、「プレイドでも1枚1000円しないなら買いだな」とは思ってますが、揃うと多分サーチを入れて理想型に近づくのが目に見えているので、今回は不採用にしています。
「土地を破壊する」という行動自体かなり忌み嫌われる行動ではあるので、「上天のしみ」なんかも採用候補ではありましたが外しました。代わりに、一定の条件下でしか起動できない地盤の際や、そもそもコストの重たい酸のスライムを採用しました。
そして、ちょっと出ましたが今回のデッキにサーチカード(ランパンするためのカードは除く)を採用するかどうか、これについては「部分的な採用」に留めました。どういうことかというと、
・手札に持ってこないサーチであること(つまり墓地に落とすカード)
・サーチの始動が早くても5ターン目以降となること(生き埋めや納墓といったカードを使わない)
ということです。具体的には墓破りのラミアとオリークの伝承魔道士の2枚。
どちらもライブラリーから墓地にカードを落とす能力を有するカードですが、「ムルドローサが場に出てると実質サーチ能力になる」という、ジェネラルを活かした構築になると共に「序盤の安定性や爆発力に寄与しない」配慮となっています。
2:どこまでデッキを安定させるか
次にどこまでデッキを安定させるかについて、前段でサーチについては限定的なものにしていることを伝えているため、除外するものとして、実際に「ムルドローサまでアクセスして、フィニッシャーに繋げるという流れに安定感を持たせるか」ということを考えていきます。
結論から言うと「結構ギリギリ、ちゃんとキープを考えないとモタモタする」ように作りました。マナ基盤とアドバンテージの二面から見ていきましょう。
まずマナ基盤、ちなみに土地は35枚、マナを加速させてくれるカードは21枚とかなり多いですが、その点も踏まえて解説していきましょう。
今回採用したマナを加速させてくれるカードのマナカーブについて、
1マナ://2
2マナ://////////10
3マナ://///5
4マナ://2
5以上://2
こういった内訳となっておりますが、個人的には「4マナ以上の加速は、マナ基盤の安定にはあまり関与しない」ものと捉えています。どちらかといえば、中~終盤にかけてのビッグアクションに繋げるための大きな助走や、別な能力を持っており、ついでにマナも増える、といった感覚に近いでしょう。
この点を鑑みると序盤の安定に関わるマナ加速カードは17枚。土地の枚数から見ても妥当かとはまだ見た感じ思えそうですが、ここから更に細分化させていきますと、結構綱渡りなところが見えてきます。
16枚のカードを4つに分けると「確実にマナを伸ばせるカード10枚」「追加のセットランド権を得るカード4枚」「上陸によって誘発するカード2枚」「不確定なもの1枚」の4つに分かれます。
確実にマナを伸ばせるカードは太陽の指輪を始めとしたマナファクトやマナクリ、ランパン出来るカードになります。「デッキを安定させる」という目的なら、他の2種のカードを減らし、土地や同系統のカードを増やした方がよいかもしれません。10枚までに留めているのは、最低限これくらいで、キープを間違えなければこのレベル帯の速度に間に合う位には安定する、と考えているからです。
そして、残りの3種については、条件が整うとビックリターンが狙える、という代物です。追加セットランド権を与えるカードは、手札に土地がダブついてる時の爆発力が高いですが、土地がないときは基本何もしないカードです。上陸によって誘発するカードも、土地を置いて始めて能力が誘発するので、こちらも土地を置けないときはただの置物になってしまいます。
これらは世界のるつぼやラムナプの採掘者といった、墓地から土地をプレイできるカードと組み合わせることで、その不安定な部分を軽減できるのですが、今回は敢えて不採用として、安定性を落としました。
そして、不確定なもの「とぐろ巻きの巫女」はライブラリートップのカードによって左右されるため、安定性に欠けます。
マナコストの重たいもの、マナ加速が不確定なものを2枚で安定してマナ加速が出来るカード1枚と換算し、土地と合計して約50枚相当のマナ基盤としてますが、土地も含めて安定してマナを増やせるカードは45枚と、EDHとしては結構ギリギリのラインで回るようになってます。その分、条件が整うと爆発的なマナ加速が可能な点は、ロマン要素と言えるでしょう。
次にアドバンテージについて。ムルドローサの能力によって、「カードを墓地に落とすことが直接的なアドバンテージになる」ため、墓地を肥やせるカードは=でアドバンテージカードになります。先述のサーチカード2枚を除くと、「ドロー、衝動的な効果のカード7枚」「墓地を肥やすカード5枚」「墓地から手札に戻すカード2枚」の計15枚となります。
「アドを取るカードが15枚って結構はいってるじゃん」と思いがちですが、「墓地を肥やすカード5枚」はムルドローサとのシナジーを考慮しないと、つまり最序盤やムルドローサが場に定着していないと、ただ墓地にカードを貯めるだけのカードになってしまうので過信は禁物です。
一応ムルドローサ無しでも墓地からリソースを確保できるように永遠の証人と生命の力、ニッサは入れてあります。基本は「ムルドローサを軸に、墓地のカードを使い回す」をコンセプトにしているので色んなカードが落ちることを期待して墓地を肥やしましょう。
3:統率者とのシナジーをどう活かすか
ここまでは【どう理想型からグレードを落としていくか】を考えてきましたが、ここからはデッキのオリジナリティを模索していきます。「このカード他のデッキだといまいちだけど、ムルドローサと相性いいよね」というシナジーを考えていきます。
先ずは前段と重複しますがアドバンテージ面についてから、地味にですがライブラリーを削るカードは結構多く、そしてそれらの殆どが「カードを引くカード」よりも多くの枚数を墓地に落とすことが可能です。墓地のパーマネントカードを吊り上げられるムルドローサとの親和性は抜群なので採用価値は高いです。
次に自壊能力のあるカード、具体的には想起や英雄譚、機動型能力で自身を生け贄に捧げることが出来るカードになります。これらは破滅的な行為などの
大規模なリセットを行わずとも再利用させることが出来、本筋の破滅的な行為などによる大立ち回りをせずとも、単体の脅威に対して小回りが効くようになります。
そしてプレインズウォーカー、これはムルドローサで吊り上げることが出来るほかに、破滅的な行為とネビニラルの円盤のリセット対象から外れていることがメリットになります。所謂「更地にPW」の状況が作りやすい構築のため、フィニッシャーとしても活躍できるPWを採用することにしました。
そして最後にサクリ台。ここは本当に迷いました。というのも、「cip能力を使い回すことが格段に容易になる」という点で、レベル帯を逸脱しかねない、と感じたからです。
デチューンするにあたり、サクリ台あり、サクリ台なしでそれぞれ10回ほど回しましたが、サクリ台ありだと相手がマウントから抜け出すことがかなり難しく、サクリ台なしだとマウントを取るのに必要なパーツが増えすぎるという板挟みになりました。
現時点では明確な結論は出せないと判断して、「最も除去されやすいサクリ台」ということで臓物の予見者を1枚だけ採用することにしましたが、今後の対戦成績如何によっては、追加、若しくは削除対象として注視して見守っています(公式か私は)
そして、フィニッシャーは「お気に入りのカードを!!ありったけ!!」というかなりカジュアルな発想にしました。良いじゃない、EDHだもの。
今回はこのようにしてEDHをデチューンしてきました。
お気に入りの統率者であればあるほど、やりたいことが沢山見つかるはずなので、「こっちはガチガチの大会に持ち込むcEDHとして、こっちは他の環境やってる友達と遊ぶ用のカジュアルデッキとして」なんて棲み分けをして【1つの統率者で2つのデッキを用意する】のもありですね。カジュアルデッキとして組むときの参考になれば。
~5:ピックアップカードの紹介~
ここからは本デッキに採用されている私のお気に入りのカードを何枚かご紹介します。破滅的な行為については、もう何回も名前を出してるので割愛します。
・水底のドルイド、タトヨヴァ
BUGタトヨヴァ緑単ことダーク♂チンコンからの刺客
(BUGタトヨヴァ緑単とは、私がカラデシュ~ドミナリア期のスタンダードで開発した、墓場波、ムルドローサをフィニッシャーに据えたボードコントロールデッキ、当時のメタゲームとか3色なのに緑単とか、ほぼ下ネタ直前のスタンダードで私が使用していた「マスター・フルチン・コントロール、略してチンコン」にあやかった名前だとか、そんなことに突っ込むのは野暮なのです)
端的に言えば上陸すると1点ゲイン1ドローするという恒久的なドローエンジン。コイツむら気な長剣歯がいるときに切るフェッチランドは完全に当時のスタンダードを思い出す動きをするので、見ていて(個人的に)楽しいです。
・記憶の熟達者、ジェイス
本デッキの神Jは間違いなく君だ。
なになに?4マナの神Jは0能力で渦巻く知識?ほーん、こっちは0能力で実質10枚ドロー(ムルドローサがいる場合に限ります)なんだよぉ!見せつけろ!5マナプレインズウォーカーの圧倒的なパゥワァ!!(ムルドローサがいる場合に限ります)
・冒涜する者、トーモッド
ゾンビ好きだねぇ、、、
白黒ゾンビからmtgに復帰したからなのか、ゾンビが出るカードは何故か魅力を感じてしまう。しかも1枚カードが自分の墓地から離れるたびに誘発するので、ムルドローサと相性がよろしい!!(あれ?なんか土地をドラゴンボール状態にするとゾンビ出せる土地はいってるけど、見なかったことにします!)
・頂点壊滅獣
続唱、続唱、続唱、続唱!!
んぎもちいいぃぃぃ!!ってなるくらいの雑なアドバンテージ+ファッティ。マナ域の最後方にしてる+X呪文がないので、カウンター2枚以外ほぼ全て当たり(唱えられると言う意味で)になるのが非常によろしい!
・生ける屍
いや楽しいよねこれ。盤面と墓地のクリーチャーがひっくり返るどんでん返しソーサリー。
こちらは能動的に墓地を肥やす上、アショクで相手の墓地吹き飛ばしてからだと一気にフィニッシャーに早変わりするのが楽しい1枚
~6:おわりに~
というわけで今回も長々とした駄文を書き連ねたわけなのですが、やはり「強くしていきたい」人に「弱くする」を説くという背反したことをするものじゃありませんね。読み返して
矛盾しまくりのこじらせ野郎かよ
と、自分で自分にヘドが出ました笑
しかし、矛盾していて当たり前、正しさに答えはでないものなので、人は悩み考える者なのです(急な達観)。
今回の記事も、視聴者の大多数が「よく分からない記事」の1つとして一括りにするのは重々承知しておりますが、心の片隅に少しでも残ればと思います。
それでは皆様、良きEDHライフをお過ごし下さい。
みなさん、(お前今月何本駄文を書き散らかすんだよ、、、)と辟易してるのは重々承知してます。
しかし、敢えて書かせて頂きます
しがないmtg未熟者にとって、コロナ禍の中でも、mtgのことを考えてるときがやっぱり楽しいのです。あ、自己紹介が遅れました。フルちんです。
さて、今回も【統率者これからのめり込んでいきたい人向け】と称してやっていくわけですが、執筆者としてここで発表します。
実は3部作として書いてます。
いやどういうこと?全く前回前々回接点ないじゃん、アホなの?そうですアホです。
私がアホということで片を付けてしまっては元も子もないので、説明していきます。
まず、【統率者これからのめり込んでいきたい人向け】と称している前回前々回、そして今回について、これはもう読んで字の如く、これからEDHを強くして、がっつり楽しみたい人に向けて
「統率者をもっと楽しみたい!けど、色んな記事があるからよく分からない!」
「そんなに高いカードは買えない!けど、お気に入りのデッキを勝てるようにしていきたい!」
「よく無限コンボって書かれてるけどどう動かしたら出来るの?」
「なんかいつの間にか狙われるんだけどなんで?」
「
といった、私が、よくご一緒させて頂くコミュニティ、Fの集団の皆様を始め、卓を囲んで頂いた皆様との対戦から得た経験や知識、構築感をフィードバックし、言語化して皆様にお届けする、というコンセプトで書かせて頂いております。そして書いてる私自身は「自分の記事もみなさんの思う【色んな記事】に一括りにされるんだろうなぁ」と分かった上で書いてます。正に本末転倒。
※ちなみに、エルフやゴブリンの村を焼かないといけない理由は「放っておくと圧倒的な物量で踏み潰されるから」です。一回の戦闘で普通に合計3ケタ以上をたたき出せちゃうので、大人しくマスデスしましょう。かわいそうなんて思ってはいけないのです
そして今回はその3部作最後の記事となるのですが、タイトルにもあるとおり、今回のテーマはデッキを「弱くする」ということ。
何か別な、オブラートに包んだ表現があるのでは?とここ数日ずっと思っていましたが、「これからEDHを強くしたい」と考えている人に対して説明するなら、どう考えてもこの言葉がしっくりきてしまいました。最終的には皆様に納得して読み終えていただけるように、書いていきます。
尚、今回も例の如く、カード全てを説明することは出来ないので、詳しい効果を知りたい方はお手数ですがMTGWiki様などで各々調べていただけると幸いです。以下URL
http://www.mtgwiki.com/wiki/%E3%83%A1%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%82%B8
それでは今回も超長文の駄文が続きますので目次から。今回も~○○~の形で切っていきます。
目次
1:デッキリスト
2:統率者とコンセプト
3:「弱くする」という考え方
4:デチューンの手順
5:ピックアップカードの紹介
6:おわりに
~1:デッキリスト~
【統率者】
墓場波、ムルドローサ
【土地】
冠雪の島 3枚
島
冠雪の沼
沼 3枚
冠雪の森
森 3枚
樹皮路の小道/潮水路の小道
清水の小道/泥水の小道
汚染された三角州
変遷の泉
育成泥炭地
黄昏のぬかるみ
変遷の泉
下生えの闘技場
湿った墓
草むした墓
繁殖池
ディミーアの水路
ゴルガリの腐敗農場
シミックの成長室
花盛りの湿地
植物の聖域
統率の塔
ゼイゴスのトライオーム
華やかな宮殿
睡蓮の原野
死者の原野
地盤の際
埋没した廃墟
統率の灯台
【クリーチャー】
臓物の予見者
極楽鳥
水蓮のコブラ
とぐろ巻きの巫女
船殻破り
迷える探求者、梓
むら気な長剣歯
再利用の賢者
刻み角
永遠の証人
イリーシア木立のドライアド
つややかな雄鹿
冒涜する者、トーモッド
オリークの伝承魔道士
概念泥棒
人質取り
熟考漂い
墓破りのラミア
酸のスライム
スカラベの神
水底のドルイド、タトヨヴァ
深海の破滅、ジャイルーダ
絢爛なビヒモス
ゼンティカーの報復者
星界の大蛇、コーマ
飢餓の声、ヴォリンクレックス
頂点壊滅獣
【ソーサリー】
入念な研究
生/死
遥か見
探検
不可視の一瞥
意外な授かり物
スカイシュラウドの要求
選別の儀式
生ける屍
【インスタント】
思考掃き
秘儀の否定
対抗呪文
【エンチャント】
ケイヤ式幽体化
海の神のお告げ
原基の印象
カルニの心臓の探検
破滅の印象
狩猟の神のお告げ
破滅的な行為
スゥルタイの隆盛
古き神々への拘束
最古再誕
【プレインズウォーカー】
覆いを割く者、ナーセット
夢を引き裂く者、アショク
記憶の熟達者、ジェイス
生命の力、ニッサ
秘宝探求者、ヴラスカ
呪われた狩人、ガラク
頂点捕食者、ガラク
【アーティファクト】
太陽の指輪
ディミーアの印鑑
ゴルガリの印鑑
シミックの印鑑
反発のタリスマン
好奇のタリスマン
忘却石
ネビニラルの円盤
~2:統率者とコンセプト~
今回の統率者は【墓場波、ムルドローサ】になります。いつも通り、テキスト原文からスペックを記載します。
墓場波、ムルドローサ 3黒緑青
伝説のクリーチャー-エレメンタル・アバター
あなたの各ターンの間、あなたはあなたの墓地から各パーマネント・タイプのパーマネント・カードをそれぞれ最大1枚プレイしてもよい。
(カード1枚が複数のパーマネント・タイプを持っているなら、それをプレイするに際し、1つを選ぶ)
6/6
(テキスト原文から、フレーバーテキストを割愛)
はい。回りくどいですが、色々ダメなことが書いてあります笑
クリーチャーのスペックとしては6マナ6/6、除去耐性や回避能力は有りませんが、EDH的に強い色を上から3色使ってる点だけでレベル5ぐらいからそこら辺の統率者よりヘイトが高いです。
そして何が1番ダメかってその能力。テキストはややこしく書いてありますが、要は自分のターン中なら墓地からインスタント、ソーサリー以外1つずつ使って良いよって
ムルドローサを統率者に指定した今回の私、いや、私でなくともこんなコンセプトになるのではないでしょうか。
【墓地から色々吊り上げたり使い回して遊びたい!】
はい、何の面白みもない(やること自体は面白い)のですが、今回はこちらをコンセプトに作っていきます。
ただし、今回は敢えて「弱くする」ということも大切なポイントです。何故弱くするのか、何から弱くするのか。その点も踏まえて、次項に進みましょう。
~3:「弱くする」という考え方~
はい、先ず「お前このデッキ初めて紹介するんだから弱いもクソもないだろ」と思ってる方が大多数だと思うので、何から弱くするかから考えていきましょう。
ぶっちゃけてしまえば、恐らくですが、今回挙げたリストよりも、
黒緑青3色の組み合わせで作れる無限コンボと、各色の汎用パーツとサーチ呪文を雑に突っ込んだデッキの方が100倍強いです。
「え?」と思われるかもしれませんが、それが事実であり心理です。
あくまでEDHにかける予算を青天井にしたと仮定して、ですが、この黒緑青の3色は
【中身さえしっかりしてれば、統率者はお飾りでもcEDHとして認められるくらい強くなれる】
と個人的には解釈しています。つまり、各色の汎用パーツと言われるカードを過不足なく使用できるレベル帯に達していれば、色だけで他の大抵の単色や2色、他の3色の組み合わせの統率者とはゲーム開始時から危険度が違うと認識されている、といっても過言ではないのです。そこら辺は詳しくは他の方に任せるとして、私がざっくりと何点か説明すると
・各色のドローや強力なサーチ呪文によって序盤から終盤まで動きが安定する(基本的なスペックの高さ)
・ランパン、マナファクトどちらとも親和性があり、マナ基盤を安定させやすく、一時的な加速もあり爆発力がある(カラーパイによる優位性)
・青の打ち消しやバウンス、黒の生物・PW除去、緑のアーティファクト・エンチャント破壊と守備も隙が無い(役割の相互補完)
等々、挙げれば枚挙に暇がないです。
これはあくまでコンボに振った、所謂皆様が考えるcEDH的なデッキを作ると仮定した場合ですが、某サイトでは「この3色が含まれていなければ人権は無いに等しい」というニュアンスの言葉が出るくらいの環境(反発する意見が一時期飛び交っていましたね、)なので、そこだけ覚えて頂ければ良いです。
「貴様の駄文を読みに来る奴なんてcEDHに興味があるわけ無いだろうが」と思ってる方々が大多数だと思いますが、仮にコンボに振らなかったとしても、ムルドローサの能力だけでコイツは強力かつ害悪な統率者になってしまいます。
何故か、ディード(破滅的な行為)と露天鉱床を使い回せるからです
どんな効果なのかは他のサイトに任せるとして、使い回されるとどうなるか
対戦相手の盤面がぺんぺん草も生えなくなります
抜け道が無いことは無いですが、ロックが成立した段階である程度マナを必要とする勝ち筋をほぼほぼ潰してしまいます。
実は私がこのムルドローサを組む遙か昔に、有志Seagal氏によって作られた、コントロール型フルパワームルドローサと対峙したことがあります(意図せずですが、私は無意識にここから「弱くしている」のだと書いてて気がつきました)。
正直、友人に向けてはいけない感情を向けそうになりました。
2枚がムルドローサが出てる状態で揃うと、何も出来ない、させてくれない、次に壊されるのが分かってるから展開するのも二の足を踏む、といった他重苦に襲われるので、このときばかりはSeagal氏がシャカパチするごとに一発ビンタしても誰も文句言わないんじゃないかな?と内心思ってました(大先輩なのにすいません)
と、Seagal氏に(一方的に)向けられた負の感情は置いておいて、正味ムルドローサを軸に作るコントロール型はコンボ型よりもたちが悪いです。キルターンが相対的に遅くなるので、相手に待ちの時間を作らせるけど、何も出来ないので虚無になる、といった状況下に置かれやすくなり、なにより構築も突き詰めると
ディードと露天鉱床と2つで対応できないものへの対策と、それらを引っ張ってくるサーチと汎用パーツでほぼ毎回同じ動きが出来るデッキが完成します。
という具合に、99枚の内、ほぼ別なカードが入っているはずなのに、同じゲームのリプレイを見てるような錯覚に陥る構成が可能です。
「言いたいことは分かったけど、それが強みであって、やりたいことならいいんじゃない?」と思われる方が大多数だと思います。何故なら、「デッキを構築する予算を度外視して構築するなら」物凄い強いデッキを作れますよ、と説明してるだけだからです。しかしたった今、大事な事が出ました。
今回のムルドローサを「弱くする」で皆様にお伝えしたいのは、「デッキビルディングの落としどころを見つける」ということです。
そもそもmtgというもの自体が、プレイしている99%の人間にとって【娯楽】であり【ホビー】なのです。そして、mtg自体にかけられる熱意や予算も、人によって千差万別です。
つまり、全員が全員、このTCGにありったけの(熱量を含めた)資源をつぎ込んではいない、ということです。コレを執筆している私も、ご視聴頂いている方々の大多数も。
本段落の前半で説明した、カラーリングを含めたムルドローサの説明は、いわばcEDHとして組み上げた場合のお話。しかし、そこに到達するには(持っているカード資産によって個人差は生まれますが)自身に多大な負荷をかけると共に、「相手を選ぶデッキになる」という制約を付与することになります。
正直、(私自身もcEDHの統率者と卓を囲んだことは統計を取れるほど多くはありませんが)、cEDHの環境、レベル帯で言えば7以上のデッキ(結構YouTubeに載ってる動画はここら辺が多いかと思います)はEDHのCommander is for fun(統率者は誰でも楽しむことが出来る、と私は意訳してます)の精神とは少し離れた位置にあると思っています。それを動画で楽しそうに見せられるのは卓の全員がレベル帯による認識を共有して、近いレベル帯同士でぶつけあっているからです。
「では、今回のムルドローサを始め、黒緑青を含むデッキは、汎用パーツと統率者と親和性の高いパーツを揃えたらcEDHになってしまうのか、シナジーや統率者を活かせる要素の薄い、カジュアル寄りかコンボや圧倒的なロックによるガチガチ寄りかの2択になってしまうのか」私はそうは思いたくありませんし、これから統率者にのめり込んでいきたい人達がそんな理由でお気に入りのカードを統率者に指定することを諦めて欲しくありません(事実私はこのムルドローサをフィニッシャーに据えたデッキを当時のスタンで使い回して遊んでました。一応店舗大会でそれなりの結果も残しているので、ムルドローサ自体、私にとって思い出の1枚でもあるのです)。何故なら、mtgには沢山のカードが存在していて、無限とも言える可能性があるからです。
「これからデッキを強くしていきたい」と思ってる人にとって、汎用性の高いパーツや強力なコンボカードは魅力的に見えることでしょう。何故ならそれらは他の先駆者達が研究し実践して強さを証明されたものなのだから。
しかし、それはあくまで「強さを追い求めた結果いきついた戦法」であり、「他の戦法、もしくはそれと同等の強さを持つもの以外はノイズでしかない」ということにはならないのです。
お気に入りのカードやカードやスタンダードで苦楽を共にしたコンセプトやシナジーを活かすこともまた一興、共存し得なかったカード達との会合で見えてくる新たな発見。「勝利という結果」のみを追い求めると、金銭面、採用基準等様々な障害が生まれてきます。そんなときでもどうかデッキを作っていく上で生まれる期待感というものを、忘れないでいて下さい。なぜなら、Commander is for funなのですから(この言葉便利だなおい)
、、、なんか綺麗事並べて幕を引きそうですが全然まだまだ中盤戦です。
高尚なことを低俗な人間が宣ったところで、「今回のムルドローサ、結局どうしたいんだ?」というところにお思いかと思います
私としては、みなさんに分かりやすいようにレベル帯でお伝えすると
限りなくレベル5に近い4か、限りなくレベル4に近い5
というレベルの境目を狙ってデチューンをさせて頂きました。予想した実践の展開としては
「レベル4同士だと魔王戦になっても勝ちに行ける」
「レベル5同士だと戦法を練っていかないと勝てない」
位のレベルに収めております。
先にTwitterの方でリスト公開してアンケートをとった結果、大体それくらいのレベルではという意見も頂けた(あれ選択肢4つしかないから誘導尋問になってしまったかもしれませんが)ので、では次項から、デチューンの手順について、説明していきます。具体的には
0:コンボや追加ターンを入れるか(大前提)
1:理想型からどこまで引き離すか
2:どこまでデッキを安定させるか
3:統率者とのシナジーをどう活かすか
の4点から解説をしていきます。
~4:デチューンの手順~
0:コンボや追加ターンを入れるか(大前提)
先ずは大前提として黒緑青のコンボや追加ターンを入れるかどうかについて、といっても強力な無限コンボはまず構築の段階で私は除外しました。これは公式のレベル帯の見解としても入れるべきではないし、何より
ムルドローサの能力を活かすことよりも、コンボによって勝つことを目指すデッキになることを抑制するため
でもあります。
次に追加ターンについて、これはムルドローサの能力を考慮すると、
他のカードとのシナジーで、実質的な無限ターンを成立させる
ことが可能性として出てくるため除外しました。要は「無限ターンに繋がるからこのカードは採用しない」というカードを作らないためです。
具体的には墓地からインスタントやソーサリーを回収できるパーマネントとサクリ台が、ムルドローサを目指すレベル帯まで引き上げるなら採用していてもおかしくない、と考えたからです。
上記の点から、今回のムルドローサの理想型としては
1:理想型からどこまで引き離すか
無限コンボと追加ターンの有無、コントロール型として組むことが決まったところで次に理想型からどこまで引き離すか、というところになります。
理想型としては先述の通り、「ディード(破滅的な行為)で流して露天鉱床などで土地も潰して相手に何もさせない」という形になります。
まず考えたのは「現物を入れるかどうか」ということです。
破滅的な行為について、これは採用することにしました。このカードについては
ただ、流石に1/99のカードをライブラリーからのドローで引き当てるのは難しいので、ムルドローサを巻き込む可能性はありますが、破滅的な行為同様使い回せる、忘却石とネビニラルの円盤も採用して水増しを行っています。
そして露天鉱床について、こちらは不採用としました。理由としては
・まず持ってない。
「EDHじゃ汎用パーツだからそれ笑持ってないとか草」とか思われても別に構いません。持ってないものは持ってないのです。
・結局露天鉱床と破滅的な行為を探すデッキに行きつくことを避けるため
正味私も一般人からしたらかなり危ないレベルのmtgオタクのため、「プレイドでも1枚1000円しないなら買いだな」とは思ってますが、揃うと多分サーチを入れて理想型に近づくのが目に見えているので、今回は不採用にしています。
「土地を破壊する」という行動自体かなり忌み嫌われる行動ではあるので、「上天のしみ」なんかも採用候補ではありましたが外しました。代わりに、一定の条件下でしか起動できない地盤の際や、そもそもコストの重たい酸のスライムを採用しました。
そして、ちょっと出ましたが今回のデッキにサーチカード(ランパンするためのカードは除く)を採用するかどうか、これについては「部分的な採用」に留めました。どういうことかというと、
・手札に持ってこないサーチであること(つまり墓地に落とすカード)
・サーチの始動が早くても5ターン目以降となること(生き埋めや納墓といったカードを使わない)
ということです。具体的には墓破りのラミアとオリークの伝承魔道士の2枚。
どちらもライブラリーから墓地にカードを落とす能力を有するカードですが、「ムルドローサが場に出てると実質サーチ能力になる」という、ジェネラルを活かした構築になると共に「序盤の安定性や爆発力に寄与しない」配慮となっています。
2:どこまでデッキを安定させるか
次にどこまでデッキを安定させるかについて、前段でサーチについては限定的なものにしていることを伝えているため、除外するものとして、実際に「ムルドローサまでアクセスして、フィニッシャーに繋げるという流れに安定感を持たせるか」ということを考えていきます。
結論から言うと「結構ギリギリ、ちゃんとキープを考えないとモタモタする」ように作りました。マナ基盤とアドバンテージの二面から見ていきましょう。
まずマナ基盤、ちなみに土地は35枚、マナを加速させてくれるカードは21枚とかなり多いですが、その点も踏まえて解説していきましょう。
今回採用したマナを加速させてくれるカードのマナカーブについて、
1マナ://2
2マナ://////////10
3マナ://///5
4マナ://2
5以上://2
こういった内訳となっておりますが、個人的には「4マナ以上の加速は、マナ基盤の安定にはあまり関与しない」ものと捉えています。どちらかといえば、中~終盤にかけてのビッグアクションに繋げるための大きな助走や、別な能力を持っており、ついでにマナも増える、といった感覚に近いでしょう。
この点を鑑みると序盤の安定に関わるマナ加速カードは17枚。土地の枚数から見ても妥当かとはまだ見た感じ思えそうですが、ここから更に細分化させていきますと、結構綱渡りなところが見えてきます。
16枚のカードを4つに分けると「確実にマナを伸ばせるカード10枚」「追加のセットランド権を得るカード4枚」「上陸によって誘発するカード2枚」「不確定なもの1枚」の4つに分かれます。
確実にマナを伸ばせるカードは太陽の指輪を始めとしたマナファクトやマナクリ、ランパン出来るカードになります。「デッキを安定させる」という目的なら、他の2種のカードを減らし、土地や同系統のカードを増やした方がよいかもしれません。10枚までに留めているのは、最低限これくらいで、キープを間違えなければこのレベル帯の速度に間に合う位には安定する、と考えているからです。
そして、残りの3種については、条件が整うとビックリターンが狙える、という代物です。追加セットランド権を与えるカードは、手札に土地がダブついてる時の爆発力が高いですが、土地がないときは基本何もしないカードです。上陸によって誘発するカードも、土地を置いて始めて能力が誘発するので、こちらも土地を置けないときはただの置物になってしまいます。
これらは世界のるつぼやラムナプの採掘者といった、墓地から土地をプレイできるカードと組み合わせることで、その不安定な部分を軽減できるのですが、今回は敢えて不採用として、安定性を落としました。
そして、不確定なもの「とぐろ巻きの巫女」はライブラリートップのカードによって左右されるため、安定性に欠けます。
マナコストの重たいもの、マナ加速が不確定なものを2枚で安定してマナ加速が出来るカード1枚と換算し、土地と合計して約50枚相当のマナ基盤としてますが、土地も含めて安定してマナを増やせるカードは45枚と、EDHとしては結構ギリギリのラインで回るようになってます。その分、条件が整うと爆発的なマナ加速が可能な点は、ロマン要素と言えるでしょう。
次にアドバンテージについて。ムルドローサの能力によって、「カードを墓地に落とすことが直接的なアドバンテージになる」ため、墓地を肥やせるカードは=でアドバンテージカードになります。先述のサーチカード2枚を除くと、「ドロー、衝動的な効果のカード7枚」「墓地を肥やすカード5枚」「墓地から手札に戻すカード2枚」の計15枚となります。
「アドを取るカードが15枚って結構はいってるじゃん」と思いがちですが、「墓地を肥やすカード5枚」はムルドローサとのシナジーを考慮しないと、つまり最序盤やムルドローサが場に定着していないと、ただ墓地にカードを貯めるだけのカードになってしまうので過信は禁物です。
一応ムルドローサ無しでも墓地からリソースを確保できるように永遠の証人と生命の力、ニッサは入れてあります。基本は「ムルドローサを軸に、墓地のカードを使い回す」をコンセプトにしているので色んなカードが落ちることを期待して墓地を肥やしましょう。
3:統率者とのシナジーをどう活かすか
ここまでは【どう理想型からグレードを落としていくか】を考えてきましたが、ここからはデッキのオリジナリティを模索していきます。「このカード他のデッキだといまいちだけど、ムルドローサと相性いいよね」というシナジーを考えていきます。
先ずは前段と重複しますがアドバンテージ面についてから、地味にですがライブラリーを削るカードは結構多く、そしてそれらの殆どが「カードを引くカード」よりも多くの枚数を墓地に落とすことが可能です。墓地のパーマネントカードを吊り上げられるムルドローサとの親和性は抜群なので採用価値は高いです。
次に自壊能力のあるカード、具体的には想起や英雄譚、機動型能力で自身を生け贄に捧げることが出来るカードになります。これらは破滅的な行為などの
大規模なリセットを行わずとも再利用させることが出来、本筋の破滅的な行為などによる大立ち回りをせずとも、単体の脅威に対して小回りが効くようになります。
そしてプレインズウォーカー、これはムルドローサで吊り上げることが出来るほかに、破滅的な行為とネビニラルの円盤のリセット対象から外れていることがメリットになります。所謂「更地にPW」の状況が作りやすい構築のため、フィニッシャーとしても活躍できるPWを採用することにしました。
そして最後にサクリ台。ここは本当に迷いました。というのも、「cip能力を使い回すことが格段に容易になる」という点で、レベル帯を逸脱しかねない、と感じたからです。
デチューンするにあたり、サクリ台あり、サクリ台なしでそれぞれ10回ほど回しましたが、サクリ台ありだと相手がマウントから抜け出すことがかなり難しく、サクリ台なしだとマウントを取るのに必要なパーツが増えすぎるという板挟みになりました。
現時点では明確な結論は出せないと判断して、「最も除去されやすいサクリ台」ということで臓物の予見者を1枚だけ採用することにしましたが、今後の対戦成績如何によっては、追加、若しくは削除対象として注視して見守っています(公式か私は)
そして、フィニッシャーは「お気に入りのカードを!!ありったけ!!」というかなりカジュアルな発想にしました。良いじゃない、EDHだもの。
今回はこのようにしてEDHをデチューンしてきました。
お気に入りの統率者であればあるほど、やりたいことが沢山見つかるはずなので、「こっちはガチガチの大会に持ち込むcEDHとして、こっちは他の環境やってる友達と遊ぶ用のカジュアルデッキとして」なんて棲み分けをして【1つの統率者で2つのデッキを用意する】のもありですね。カジュアルデッキとして組むときの参考になれば。
~5:ピックアップカードの紹介~
ここからは本デッキに採用されている私のお気に入りのカードを何枚かご紹介します。破滅的な行為については、もう何回も名前を出してるので割愛します。
・水底のドルイド、タトヨヴァ
BUGタトヨヴァ緑単ことダーク♂チンコンからの刺客
(BUGタトヨヴァ緑単とは、私がカラデシュ~ドミナリア期のスタンダードで開発した、墓場波、ムルドローサをフィニッシャーに据えたボードコントロールデッキ、当時のメタゲームとか3色なのに緑単とか、
端的に言えば上陸すると1点ゲイン1ドローするという恒久的なドローエンジン。コイツむら気な長剣歯がいるときに切るフェッチランドは完全に当時のスタンダードを思い出す動きをするので、見ていて(個人的に)楽しいです。
・記憶の熟達者、ジェイス
本デッキの神Jは間違いなく君だ。
なになに?4マナの神Jは0能力で渦巻く知識?ほーん、こっちは0能力で実質10枚ドロー(ムルドローサがいる場合に限ります)なんだよぉ!見せつけろ!5マナプレインズウォーカーの圧倒的なパゥワァ!!(ムルドローサがいる場合に限ります)
・冒涜する者、トーモッド
ゾンビ好きだねぇ、、、
白黒ゾンビからmtgに復帰したからなのか、ゾンビが出るカードは何故か魅力を感じてしまう。しかも1枚カードが自分の墓地から離れるたびに誘発するので、ムルドローサと相性がよろしい!!(あれ?なんか土地をドラゴンボール状態にするとゾンビ出せる土地はいってるけど、見なかったことにします!)
・頂点壊滅獣
続唱、続唱、続唱、続唱!!
んぎもちいいぃぃぃ!!ってなるくらいの雑なアドバンテージ+ファッティ。マナ域の最後方にしてる+X呪文がないので、カウンター2枚以外ほぼ全て当たり(唱えられると言う意味で)になるのが非常によろしい!
・生ける屍
いや楽しいよねこれ。盤面と墓地のクリーチャーがひっくり返るどんでん返しソーサリー。
こちらは能動的に墓地を肥やす上、アショクで相手の墓地吹き飛ばしてからだと一気にフィニッシャーに早変わりするのが楽しい1枚
~6:おわりに~
というわけで今回も長々とした駄文を書き連ねたわけなのですが、やはり「強くしていきたい」人に「弱くする」を説くという背反したことをするものじゃありませんね。読み返して
矛盾しまくりのこじらせ野郎かよ
と、自分で自分にヘドが出ました笑
しかし、矛盾していて当たり前、正しさに答えはでないものなので、人は悩み考える者なのです(急な達観)。
今回の記事も、視聴者の大多数が「よく分からない記事」の1つとして一括りにするのは重々承知しておりますが、心の片隅に少しでも残ればと思います。
それでは皆様、良きEDHライフをお過ごし下さい。
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