~前書き~

みなさん、大分期間の短い投稿スパンになりました。フルちんです。



有志Seagal氏が私のむちゃぶり期待に応えて大変分かりやすい【双子唱者、アドリックスとネヴ】についての解説と彼自身の構築メソッドを書いて頂いたので、私も負けてられないという謎の対抗意識を燃やして書いております。正直私の解説より二億倍は読みやすく、良いものなので是非私のリンクからも飛んでみて下さい。



本記事では、先日我が家のEDHデッキ総出で行われた汎用強力カード争奪戦(1人で四人卓を操作して行う趣味の悪い画期的な多人数戦)を征して、名実共に私の所有するEDHデッキで最強となった(あくまで4人対戦として、1v1コマンダーというEDHのタイマンは考慮していません)、【ザルファーの魔道士、テフェリー】を色んな観点から考察していきたいと思います。



これまでの【EDH作成記録】では私は敬語を使用せずにつらつらと駄文を書き連ねて来ましたが、今回は【統率者これからのめり込んでいいきたい人向け】ということで、考察と平行して「これから統率者を強化していきたい、でもどうすれば良いのかわからない」という人に向けて、アマチュアでmtg力が低い私の浅はかな考えではありますが、少しでも参考になるような部分があるように、記載をしていきたいと思っております。



尚、【EDHデッキ紹介】ではないのは、今回紹介するデッキが他のEDHからパーツをぶんどったパーツの移動をした結果、(これはまた未完成に戻ったな)と感じたからです。適宜採用を検討してる(した)カードも紹介しますが、私の狭い所見では至らないところもあるので、その点は本記事のコメント欄で教えて頂けると幸いです。



尚、今回も前回の【再構築者、オスギル】の記事同様、採用したカード全ての能力や細かな解説は省かせて頂きますので、そちらが知りたい方は、お手数ですがMTGWiki様などで各々調べていただけると幸いです。以下URL

http://www.mtgwiki.com/wiki/%E3%83%A1%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%82%B8

今回もとても長い記事になりそうなので、目次を作成しておきます。~○○~という形で区切っていきます。それでは、順を追って見ていきましょう。

目次

1:デッキリスト
2:統率者とコンセプト
3:勝ち筋
4:立ち回り
5:ピックアップカードの紹介
6:今後の展望
7:終わりに


~1:デッキリスト~

※今回マナ基盤の枠にクリーチャーが含まれています。クリーチャーには☆を付けております

【統率者】
ザルファーの魔道士、テフェリー

【土地 31枚】
島 24枚
協議会の座席
神秘の聖域
孤立した砂州
トレイリア西部
聖遺の塔
無限地帯
ニクスの祭殿、ニクソス

【マナ加速、コスト軽減 20枚】
魔力の墓所
金属モックス
永遠溢れの杯
太陽の指輪
魔力の櫃
多用途の鍵
通電式キー
秘儀の印鑑
友なる石
思考の器
精神石
虹色のレンズ
覚醒の兜
☆名高い武器職人
☆エーテリウムの彫刻家
超次元レンズ
玄武岩のモノリス
連合の秘宝
スランの発電機
金粉の水蓮

【クリーチャー 14枚】
歩行バリスタ
船殻破り
粗石の魔道士
エレンドラ谷の大魔術師
造物の学者、ヴェンセール
賢いなりすまし
熟考漂い
流浪のドレイク
狙い澄ましの航海士
星霜の学者
船団の災い魔
裏切りの工作員
副陽のスフィンクス
潮吹きの暴君

【ソーサリー 9枚】
思案
定業
意外な授かり物
脅迫的な研究
加工
時間のねじれ
永劫での歩み
永劫のこだま
宝船の巡航

【インスタント 13枚】
神秘の教示者
劇的な逆転
現実変容
サイクロンの裂け目
秘儀の否定
遅延
対抗呪文
マナ吸収
知識の渇望
謎めいた命令
時を超えた探索
発明品の唸り
青の太陽の頂点

【エンチャント 3枚】
リスディックの研究
プロパガンダ
基本に帰れ

【アーティファクト 6枚】
師範の占い独楽
群の祭壇
等時の王笏
彫り込み鋼
ブライトハースの指輪
知識槽

【プレインズウォーカー 3枚】
覆いを割く者、ナーセット
人知を超えるもの、ウギン
精霊龍、ウギン


~2:統率者とコンセプト~


今回の統率者は【ザルファーの魔道士、テフェリー】になります。最近〈時のらせんリマスター〉で再録されましたが、前回のオスギルと違い大分古いカードです。どんなカードかというと


ザルファーの魔道士、テフェリー 2青青青

伝説のクリーチャー-人間・ウィザード

瞬速
あなたがオーナーであり戦場に無いクリーチャー・カードは瞬速を持つ。
各対戦相手は、自分がソーサリーを唱えられるときにのみ呪文を唱えられる。

3/4
(テキスト原文より、フレーバーテキストを割愛)


(なんか聞いたことある名前だぞ?)と思われた方、その通りです。直近のカードセットではプレインズウォーカーとしての収録となっているテフェリーというキャラクターのカードになります。

このカードを統率者に指定している理由は以前別な記事にしているので割愛します(大分散文的です)。


カテゴリーとしては「対戦相手に何かしらの制限を与える」所謂ヘイトベア、と呼ばれる類のカードで、この手のカードとしては5マナと重く、クリーチャーとしてもP/Tが3/4と統率者戦としては非常に低いですが、能力はその分(出すとものすごい嫌われる可能性があるくらい)強力です。


まず瞬速について。これは「インスタントが唱えられるなら唱えてもよい」という常磐木能力で、つまりは


唱えるマナさえあれば大体いつでも唱えられる


という非常にやっかいな能力です。青3つ含む5マナを捻出できる状態であれば任意のタイミングで場に出せるので、相手からするとどのタイミングで出てくるか予想がし辛いです。


そして2番目の能力、mtgになれていない方には分かりづらい書き方かもしれませんが、要は


好きなタイミングでクリーチャー呪文を唱えられる


というこれまた厄介な能力になります。コレによって「対戦相手のパーマネントを手札に戻す」や「カードを引く・サーチする」といった、クリーチャーが出たときに誘発する能力(cip、etb、187クリーチャーなどと呼ばれます)や、強力なフィニッシャーを出すことが対戦相手のターン中に行えます。ずるい。


そして、3番目の能力がこの2番目の能力とシナジーして、このカードが(EDH的に)嫌われる、狙われるカードとなる理由と言ってもいいでしょう。一昨年出たあの青白3マナの同じキャラクターのカードと同様(こちらのカードを元に刷られているので時系列逆転してますが)の


対戦相手はソーサリータイミングでしか呪文を唱えられない


という強力な一文。なにがそんなに嫌われるのか、端的に説明すると


・対戦相手はメインフェイズでしか呪文を唱えられないため、対戦相手を妨害するタイミングが限られる

・自分は(クリーチャーを含め)、唱えられる呪文は何時でも唱えられる

・ついでに続唱などの、何かしらのアクションに対して誘発して呪文を唱える能力が発生しなくなる


という非常に理不尽な状況がこのカード1枚で発生します。ついでで続唱を止められたら大渦の放浪者辺りはたまったものじゃありません。

ただし、この3番目の能力、統率者戦では過信は出来ません。むしろ出しどきを間違えると戦犯にもなります。何故なら

・複数人での対戦になるので、他のプレイヤーが別なプレイヤーを呪文で妨害出来なくなる


という他の環境では発生しないデメリットが生まれるからです。つまり、『共闘して誰かを倒そう』という流れを抑制する、有志Seagal氏の言葉を借りればEDHの政治的な側面を激しく妨害することになります。非常に使いどころ、出しどころを考えなければならい統率者です。


では私はこの統率者を使って、どんなコンセプトでデッキを組んだのか。それは

『対戦相手を盤面を要所要所で抑えつつ、唐突にコンボしたり、ロックをかけてコントロールしたい』

になります。これは青単、いや他の色の統率者を見てもこの【ザルファーの魔道士、テフェリー】ならでは動きを含めた上でのデッキコンセプトだと思うので、これを突き詰めていきたいと考えています(私も全てのカードを把握しているわけでは無いので、別なカードでも代用できたらごめんなさい。私の知識不足です)。


唐突なコンボとは?唐突なロックとは?それは後述するとして、先ずはこのデッキの勝ち筋から解説をしていきましょう。


~3:勝ち筋~

なぜ個別のカードに対する考察より先に勝ち筋と次項の立ち回りから解説するのか、それは

『デッキを紹介する上で、目指すゴールを決め、そのための道筋を共有しておく必要がある』

からです。



ゴールというのはもっとカードゲーム的に言えば勝利、そして道筋とは勝利までのゲームプランの組み立て方となります。


リストを見ただけで一通り回し方を頭の中で形成できる有識者の方々にとっては不要な項にはなりますが、今回は【統率者これからのめり込んでいきたい人向け】なので、『こんな勝ち方をする』や『こんな考え方で手番を進めていく』、『対戦相手の動きのどう見ていく』かの参考になればと書かせて頂きます。


本デッキの勝ち筋は大枠で2つです。

①無限コンボによって勝つ

②盤面をコントロールしてリソース差で勝つ


後述しますが、今回の統率者、ザルファーの魔道士、テフェリー(以下、便宜上〈テフェリー〉とします)とあるカード1枚で強烈なロックをすることが出来ますが、


ロックした=勝ちとはならない(抜け道がある)


ため勝ち筋から外します(勝ちに大きく近づく動きではあります)


それぞれ見ていきましょう。


①無限コンボによって勝つ


本デッキには無限コンボが数種類搭載されています。派生ルートも多数存在しますが、そちらについてはさっくりと紹介するにとどめます(皆様にも考えて欲しいから)。

そのため、基幹となるパーツ(コンボを成立させる最低条件)と、無限コンボに至るループの手順を紹介していきます。


1:バサルトブライト

必要パーツ
玄武岩のモノリス
ブライトハースの指輪

手順
(1):3マナ支払い、玄武岩のモノリスの自身をアンタップさせる能力を機動する

(2):アンタップ能力に対してブライトハースの指輪が誘発するので、2マナ支払いアンタップ能力をコピーする

(3):玄武岩のモノリスが2回アンタップすることになるので、アンタップ状態になる度タップして無色3マナ出す(タップ状態から起動しても合計無色6マナ出る)

(4):(1)と(2)の起動と誘発に必要な合計コストが5、生み出せるマナが無色6マナとなるため、6-5=無色1マナ余ることとなり、以降繰り返して無色無限マナ成立


EDH界隈ではかなり有名なコンボで、アーティファクト2つで成立させることの出来るコンボのため、極端な制約やデッキを回す上で障害やノイズにならなければ、ほぼ全てのデッキで採用が可能な2枚コンボになります。


発生するマナが無色のみのため使い道が限られますが、2枚+2マナだけで成立させられる手軽さが魅力です。本デッキではここから歩行バリスタか青の太陽の頂点に繋げてゲームを決めます(青の太陽の頂点の場合、追加で青マナが必要となります)。


2:等時の王笏コンボ

必要パーツ
等時の王笏
劇的な逆転

条件
自分がコントロールしている土地でないパーマネントからタップ能力で合計3点以上マナが出せること

手順
(1):等時の王笏を出し、出たときの誘発能力で手札から劇的な逆転を追放して刻印する

(2):2マナ支払い、等時の王笏の能力を起動し、刻印されている劇的な逆転をコピーする。

(3):劇的な逆転の能力で土地でない自分のパーマネントが全てアンタップする(等時の王笏もアンタップする)

(4):アンタップしたパーマネントから合計で3点以上マナが出るなら以降繰り返しで無限マナ成立。色マナを生成できるなら有色無限マナも可能


こちらは青の代表的な無限マナコンボの1つです。バサルトブライトと違い、生み出せるマナは場にあるマナファクトやマナクリに依存しますが、有色無限マナまで成立させられるため使い勝手が非常に良いです。


バサルトブライトと同様、歩行バリスタや青の太陽の頂点で、即座にゲームを決めることも可能ですし、有色マナからドロースペル、サーチによって盤面を形成、サイクロンの裂け目の超過によって相手の盤面を崩壊させてから追加ターンなど、そのターンの内に盤面の圧倒的優位を築くこと(対戦相手の投了を誘う実質的な勝利)が可能です。


3:流浪のドレイク+狙い澄ましの航海士コンボ


必要パーツ
流浪のドレイク
狙い澄ましの航海士

条件
土地が3枚以上あり、それらから青マナを1点以上出せること

手順
(1):必要パーツのどちらかが場に出ている状態で、もう片方を場に出す

(2):狙い澄ましの航海士の結魂能力で二体を組にする

(3):組みになった流浪のドレイクで、1青支払い自身を追放して場に戻す

(4):ドレイクの能力で土地を最大5つアンタップする

(5):(4)の誘発と同時に(2)も誘発しているため、もう一度2体を組にしておく。アンタップした土地からマナを出し、(3)と(4)を繰り返すことで[土地から生み出したマナ-1青]の数マナが増えていくので無限マナ成立


本デッキでは無色マナしか生み出せない土地は二枚しか入っていないため、実質有色無限マナとなります。このコンボが先に挙げた2つと大きく違うのは、狙い澄ましの航海士の能力自体が無限マナの注ぎ先になる、つまりは勝ちに直結するということです。


狙い澄ましの航海士と組みになったクリーチャーは自身を追放して場に戻す(ブリンクと呼ばれる)ことを繰り返せるので、cip能力を無限に行えるようになります。ドロー、バウンス、回収等クリーチャーの能力次第で様々なことが行えるようになります。勿論先述の2つと同様、バリスタ、頂点に繋げても良いです。


4:潮吹きの暴君コンボ

必要パーツ
潮吹きの暴君
唱えるマナコストよりも多くのマナを引き出せるマナファクト2種以上


手順、と言いたかったのですが、挙動があまりにも複雑かつ、私自身熟知していない(あまりにも未熟な自分に活を入れたい)なため、気になった方はお手数ですが「潮吹きの暴君 コンボ」で検索をして頂けると幸いです。ざっくりとですが、潮吹きの暴君でマナコストの軽いマナファクトをぐるぐると手札と場に行き来させて、無限マナを作るコンボです。


潮吹きの暴君が本デッキに採用されていて、他の潮吹きの暴君が採用されうるデッキと違う点は、知識槽が採用されている点(後述しますが知識槽自体が〈テフェリー〉とシナジーを形成しているため、他のデッキよりも採用優先度が高い)でしょう。


知識槽の挙動については後々説明することになるので、結論だけ申し上げますが、潮吹きの暴君コンボが知識槽が出てる状態で始まると、呪禁、被覆の付いていない対戦相手のパーマネントを全てバウンスします。


無限コンボは、上記4種を採用しております。これらは無限マナを成立させているだけなので、ここから発想次第で様々なループコンボへ応用が可能となっております。


ここまでの解説を見て気がついた方がいらっしゃると思います。

〈テフェリー〉、絡んでないじゃん


そう、実はジェネラルが着地して無くても、上記のコンボは成立します。


では〈テフェリー〉はただのカラーマーカーなのか、それでは多色の統率者の方が良いです。何故〈テフェリー〉なのか。先述している能力、そしてそのスペックが非常に有用だからです。


〈テフェリー〉は場に出ている間、対戦相手がインスタントタイミングで呪文を唱えることを禁止するので、これらのコンボを妨害されないようにする非常に有用なカードになります。


また、自身が瞬速を持つため、対戦相手のターン中に唱えられ、コンボを始動させるためのマナを確保しやすいのも利点となります。


加えて、自身の他のクリーチャー・カードにも瞬速を付与するため、(3)の流浪のドレイク+狙い澄ましの航海士コンボがインスタントタイミングで成立します。対戦相手のターン中にコンボを決めて自分が勝つなんていうオサレな勝ち方も出来ます(ロマン)。


更に、時間の大魔道士、テフェリーを駆るTさんからのご意見でしたが、今回の〈テフェリー〉自体がデコイ(擬似餌)として有用という点も強いです。


デコイとして有用とはどういうことか、〈テフェリー〉が場に着地すると対戦相手は呪文で妨害できなくなります。そのため、〈テフェリー〉を唱えたタイミングでカウンターでの対処を迫られますが、ここで「カウンターとマナ、若しくは代替えのコストを使わせた」ことで、コンボの通りが良くなります。


対戦相手に、「〈テフェリー〉の着地を止めるためのカウンター」と「無限コンボを止めるための妨害」と「それらを唱えられるようにマナや代替えのコストを残しておく」という三重の圧を場に出ることなくかけておける、これが〈テフェリー〉を統率者として置いておく強みになります。



②盤面をコントロールしてリソース差で勝つ


こちらは読んで字の如く、その他の構築環境のコントロールと同じように、序盤をドローやカウンター、妨害で凌ぎ、中盤は強力なリセット呪文で盤面を流し、終盤以降は強力なカードでマウントを取っていく、という展開になります。「多人数戦で、しかも除去が少ない青単色で、そんなことが出来るの?」と思ってしまうかもしれませんが、出来てしまいます。青って器用なんです。


立ち回りに関連することが多いので、次項でしっかりと説明していきますが、その前に、潮吹きの暴君コンボでも取り上げた知識槽についてここで触れておきます。以下カードテキスト原文より



知識槽 6
アーティファクト

刻印-知識槽が戦場に出たとき、各プレイヤーは自分のライブラリーの一番上から3枚のカードを追放する。
いずれかのプレイヤーが自分の手札から呪文を1つ唱えるたび、そのプレイヤーはそれを追放する。そうした場合、そのプレイヤーは知識槽により追放された他の土地でないカードを1枚、そのカードのマナ・コストを支払うことなく唱えてもよい。




はい、ちょっとややこしい効果なのですが、本デッキでは

『〈テフェリー〉が場に出ていれば、対戦相手は手札から呪文を唱えなくなる』と『知識槽が置いてある時に手札から呪文を1つ唱えると、知識槽に追放して、知識槽からもう1つ呪文を唱える』ということを把握していれば大体OKです。


まず一つ目について、

〈テフェリー〉が場に出ていると、常在能力で対戦相手は『インスタントタイミング』で呪文を唱えられなくなります。

知識槽は誘発能力で手札からの呪文を一度追放して(追放された呪文は解決されないので、何の効果も発揮しません)、代わりに知識槽に追放されている他のカードを唱えます。


知識槽が能力を誘発させていることが重要で、代わりに唱える呪文は全て『インスタントタイミング』で唱えることになります(これはそのカード自体に瞬速が付いているかどうかは考慮されません)。


〈テフェリー〉は対戦相手が『インスタントタイミング』で呪文を唱えることを禁止するので、これによって『〈テフェリー〉をコントロールしている自分は手札から知識槽を経由して呪文を唱えられるけど、対戦相手は手札から呪文を唱えても知識槽から呪文を唱えられない』状態が成立します。


非常に強力なロックではあるのですが、手札以外から唱えた場合は誘発しないため、統率者や墓地、追放領域からなら対戦相手も呪文が唱えられる点は注意して下さい。


二つ目について、一つ目で知識槽の挙動を既に説明していますが、ここで重要なのは『知識槽に追放された呪文も、唱えたという扱いになる』ということです。これが潮吹きの暴君コンボとシナジーします。


潮吹きの暴君は自分が呪文を唱えるたびに誘発するので、手札から唱えたときと、知識槽から唱えたときで2回誘発するようになります。つまり、『ループしながら対戦相手の盤面に干渉できる』という状態になります。


必ずパーマネントを戻さなければならないので、無限マナには出来ませんが、対戦相手の場が土地を含めて更地になるので実質勝ちと言っても過言ではありません。


ただ、この知識槽によるロック、コンボが成立しなくても、しっかりと②による勝ち筋は辿れます。あくまで1つの強力なマウント方法として参考になれば。


重要なカード、知識槽について説明を終えたところで、次項で、立ち回りについて解説していきます。



~4:立ち回り~


立ち回りの本題に入る前に、先日SNSにてこのデッキのリストを公開して該当レベルのアンケートを採った結果【レベル6】に相当する、という見方が強い結果に収まりました。


これはあくまで私の個人的な感想ですが、大体のレベリングとして5以上になってくると青への風当たりが大分強くなってきます。


よく分かんないけどとりあえず青いからあいつ殴っとけ


みたいな理不尽が平気で通ってしまうのがEDHです。青が好きな皆さんごめんなさい。私も青くないデッキ使うときは大体青、若しくは青の絡んだ多色の統率者から殴ってます。


なんでそんなことになってるかは他の有識者のコラムに任せるとして、上のような条件下でどのように立ち回るのか、考えていきましょう。


また、本デッキに無限コンボが入っているため、ある程度マナ基盤が整い、パーツが揃えばそこから無限コンボでフィニッシュ出来る点は今回は割愛します。


1:序盤(0~4ターン目)

cEDHと呼ばれる、所謂トップメタの統率者達による戦いでなければ、意外にもEDHの序盤は静かなものです。


行われる挙動は大きく分けて3つ、

①マナファクトやマナクリ、ランパンを唱えて、使えるマナ数を稼ぐ

②土地を伸ばしながらドロー呪文やサーチ、トップ操作カードで手札を整える

③妨害やクリーチャー、コンボパーツなどを使い、序盤から相手に圧をかける

になります。これらを単体、若しくは複合しながら、どのプレイヤーも序盤は進めていきます。③は序盤から自分のヘイトを上げる、少々リスキーな選択肢ではありますが、止められなければそのまま勝利に直結する、という勝ち負けだけ考えれば大きなリターンを見込めます。


〈テフェリー〉自体のここでの動きは概ね①か②になります。③の選択肢をとる場合もありますが、それは大体【卓に自分しか青がいない(=真っ先に自分が狙われるとわかりきっている)】や【明らかに自分が格下である(自分ざ勝ち筋を辿る前に負けてしまう)】場合に限られます。


では、①や②をしながら何を考えるのか、それは【対戦相手の手の進み具合】です。


例えば、3ターン目に【次のターン8マナ以上出る希望の天使、アヴァシン】と【土地3枚と精神石1つの〈テフェリー〉】、あなたはどちらが脅威に見えますか?


あらかたの人間がアヴァシンの方に脅威を感じると思います。ここから世界薙ぎの剣なんか引っ張ってこられた日にはワンサイドゲームで終了してしまいます。


何が言いたいのかというと、ゲームを進めていく内に、自分よりもヘイトの高いプレイヤーがいないかどうか、注視しておくことが大切、ということです。


極端な例を出してしまいましたが、例のような【序盤から高マナ域までアクセスできるような加速をした】や【墓地のカードとシナジーを形成してる統率者が、凄い勢いで墓地を肥やしている】【序盤の内に10点以上のクロックを作って、今後も打点が増え続けるエンジンを置いてる】といった動きは、良くも悪くもイヤでも他のプレイヤーの目につきます。


こういった状況になると統率者戦では「政治」や「共闘」といった、構築戦ではまず見られない光景が広がります。というのも、全プレイヤー初手は最大7枚、最初のドローを含めても8枚なので、序盤から沢山動いたプレイヤーはその分リソースが減ってます。そのプレイヤーの盤面を(あくまで最終的に自分が勝つために)一旦大人しくさせたいから、プレイヤー同士で一時的に結託してそのプレイヤーに立ち向かうのが共闘になります。ただ、共闘は別にしなくても良いし、何なら1番強いプレイヤーに協力して反抗しそうなプレイヤーを咎めつつ、自分の盤面を伸ばすことも共闘になります。そこに至るまでの話し合いやアイコンタクトが政治になります。


こういったことが起こると話が早く、【誰が1番今強くて、誰が強い奴の動きを止めたがってて、誰が動きに無関心なのか】が見えてきます。


強い動きの人イケイケで押し切りに来るでしょうし、動きを止めたがってる人はそれに対抗して妨害や展開をしていきます。では無関心な人はなぜ無関心なのか。ある意味こういう人が1番危ないです


それは、【盤面をひっくり返せるカードを持ってて、それが間に合いそう】か【対戦相手の予想されるキルターンより早くコンボを成立させられる】のどちらかです。どちらも1番強いところに目を向けすぎると見落としがちなので、しっかりと確認をしておきましょう。


で、結局〈テフェリー〉はこんな時どうするのか、それはケースバイケースになります。元も子もないですが、共闘するにせよ無関心でいるにせよ、肝心なのは【自分が倒されないように、勝ちの芽を潰されないように動いていく】ということです。自分の勝ち筋が潰されてしまっては、本末転倒ですからね。


唐突にゲームが早くなった場合を記載しましたが、そうで無い場合も相手の動きを見ながら、序盤はマナを伸ばしたり、手札を揃えたりしていきます。


2:中盤(5~8ターン目)


例示したような早い展開にならなくても、事故っていなければ、中盤からはどのプレイヤーも自分のやりたい動きがどんどん出来るようになります。


ここでも【対戦相手の手の進み具合】をみながらプレイをしていきます。共闘等する場合も序盤の例で挙げたとおりですが、より重要になってくるのは


『対戦相手の要所を弾く』


ということです。


中盤になると対戦相手も自分も、強力なカードが飛び交うようになります。そこで気をつけなければならないことは『出されたら、場に残ったら自分が(共闘してるなら共闘相手も含めて)絶対不利になる』カードは抑えなければならない、ということです。


揃うと無限コンボになるカードの他に、大量のアドバンテージを得るビックアクションや、より強烈なクロック、マスデスなどが代表的でしょうか。


その時の自分の盤面や手札と相談しながら、(アドバンテージを取られても良いけどマスデスは駄目)や、(高い打点のクロックは後から何とか出来るけどコンボは即弾かないといけない)といったものは常に盤面に左右されるので、適宜考えなければなりませんが、最終的には【自分がこの勝負に勝ってる】ということをイメージしながら、盤面に出てる何が邪魔で、何はどーでもよくて、何を出されるのはマズいのか、考えてプレイしていきます。


青の性質上、カウンターを構えるために敢えて自分の手を遅らせる、というのも押さえておきたいポイントです。フルタップでターンを終えて、返しでコンボを決められた、なんてことになると悲しくなります。



そして、コレぐらいのタイミングからは自分からも仕掛けていく、ということも重要になってきます。前述している無限コンボは恐らく1ターンの内に手札から場に出せるような状態になっているはずなので、唐突に〈テフェリー〉を場に出して妨害を気にせずコンボを決めたり、サイクロンの裂け目などの大量バウンスや精霊龍、ウギンの-X能力で盤面を落ち着かせてから〈テフェリー〉+知識槽によるロックをかけて、ゲームを決めてしまうのもありです。決められるときに決めておくことも大切なことであります(グダグダしたゲームになると自他共につかれるから)。


3:終盤(9ターン以降)


ここら辺までかかるゲームになると、大抵は

【どのプレイヤーも手の進みが悪かったからまだ中盤みたいな動きをしてる】か【プレイヤーの何人かは消耗しきっているか、ゲームに負けている】のどちらかだと考えられます。まだ中盤戦なら、中盤戦を続けましょう。


後者の場合は、消耗戦になります。各プレイヤーはこれまでの攻防で大体手駒が減っていたり、息切れしている場合が多いです。コントロール側からすると、自分の時間はここから始まります。残っている相手の戦力を潰しながら、強力なフィニッシャーやコンボでゲームを決めてしまいましょう。


自分もリソースがないのではないか?と思われるかもしれませんが、青はドローの色、引きましていけば良いのです。コンボもできて、手を進めつつ中盤は妨害をしながら、終盤もリソースが尽きない。


これだけでも青は先に殴っておいて問題ないと言って良いと思います。


ここまでくればマナは土地も含めて潤沢にあるはずなので、構えながらフィニッシャーを出していけるので、恐れずに対戦相手を蹂躙していきましょう!!


ただ、対戦相手も勝ちたい気持ちは同じなので、最後まで逆転を狙ってきます。勝ちを焦ってフルタップにしてマナが出ない、なんてことにはならないようにご注意を。



かなりのロングゲームが予想されますが、②盤面をコントロールしてリソース差で勝つ というゲームプランの立ち回り(あくまで基本的な部分になってしまいましたが)はこのようになります。


~5:ピックアップカードの紹介~


ここからは今回のリストを見た有識者()の皆様が「なんでそんなカード入れてんのwよっわw」と思われるカード達を何枚かピックアップして、今回採用した理由を紹介していきます。


大抵の人はそんなこと思わなかったり、思ってても口にしないかもしれませんが、そんなこと口にしちゃう人がカードゲーム界隈にはたまに出てきちゃうの、なんででしょうね、、、?


1:覚醒の兜

先ずはマナ基盤から1枚。とはいえこのカード、「コンボパーツとして」なら一級品の性能でもあります。


唱える呪文のコストが1少なくなる、というカードで、潮吹きの暴君コンボに使えるパーツがグッと広がるカードですが、各プレイヤーに効果がある為、対戦相手も動きやすくなります。


このカードの魅力は、【環境を意図的に高速化させられる】ということです。


唱えるコストが各プレイヤー減ることで、全プレイヤーが格段に動きやすくなります。それによって自分よりも大量展開させて、意図的に相手のヘイトを上げることが出来るカードでもあります。


このカードの恩恵にあやかりたいプレイヤーは自分と手を組みたがりますし、「政治」や「共闘」が捗りますね。



2:船団の災い魔

7マナ6/6、青としてはデカい!(重い!)ファッティですが、私が強いと感じるのはそのcip能力、


私がコントロールしてる島の数以下のタフネスを持つ各対戦相手のクリーチャーを全て手札に戻す、という大量バウンス能力。このデッキならマナファクトを利用して出しても、大体タフネス4-5位までのクリーチャーを全てバウンス出来ます。加えて6/6のワガママボディはEDHでもなかなかのサイズです。


加えて、このカードの良いところはクリーチャーなので、狙い澄ましの航海士の結魂能力で使い回せる点です。再展開してきたクリーチャー達を再び戻すのはちょっと魔王感ありますね笑


3:副陽のスフィンクス


クリーチャーからもう1枚。コントロール側になったときは珠玉の1枚になります。

なんと、戦闘後のメインフェイズ開始時に、アンタップ、アップキープ、ドローを行えます!

本デッキではアップキープはあまり意味はありませんが、パーマネント全てをアンタップさせて、追加でドローも貰えるという、パーミッションにうってつけの1枚となってます!!(ただし8マナと重たい)



4:永劫での歩み


追加ターン!!有無を言わさず強い!!なんですが
利点はなんと言っても墓地に残ること(バイバックはコストが厳しいので、次のターンゲームを決められるならやっても良いかなぐらいです)。


墓地に残ることで神秘の聖域でトップに置くことが出来ますし、潮吹きの暴君や造物の学者、ヴェンセールで神秘の聖域をバウンスすれば、さらなる追加ターンに繋げることも出来ます!(任意で無限になっちゃうんだよなコレが)

時間のねじれでも同様のことが出来ますが、そちらは青くて予算度外視でデッキ強くしたいならとりあえず入れとけみたいなカードなので割愛します笑


5:謎めいた命令


モダンでお馴染みのクリコマ。青単色だからこそ、見たいな青トリプルシンボルの色々出来る呪文です。


使ってて(あ、めっちゃ強い)って思わせてくれる1枚ではありますが、コストの重さがネックで実は取り替えられそうな1枚!頑張れ!負けんな!!


6:人知を超えるもの、ウギン


めっちゃ強いこと書いてあるのに灯争大戦剥かれすぎて下落しまくってるPWです。


常在型能力によるコスト軽減、+1でクリーチャー出しながら遅効性のドロー、-3で有色のパーマネント破壊とコンボのお供に、コントロールのフィニッシャー兼除去にお役立ちの1枚になってます。


アーティファクト多めなら採用してあって少し遅めのデッキなら雑に入っちゃいそうな1枚。


~6:今後の展望~

ここからは、現在大体レベル6と査定された本デッキに、どんなカードを追加したらもう一つレベルを上げられるのか、有識者()の皆様は大体お察しかもしれませんが、今回は【統率者これからのめり込んでいきたい人向け】で書いているので紹介していきます。


尚、「宝石の睡蓮」に関しては採用可能でしたが、今回敢えて外してます。理由は、

・本デッキ自体がテフェリーを早く出すことを目的にしていない

・瞬速を活かそうとすると、宝石の睡蓮自体を場に残しておく形になるので、あからさまにヘイトを稼ぐカードになってしまうから

です。


1:アンタップインできるフェッチランド

作成当初は敢えて外していましたが(そちらについては前回の駄文を参考にして下さい。恥ずかしい)師範の占い独楽を採用したことで、トップをリフレッシュする手段として採用しても良いかと思います。

2:商人の巻物など(サーチ系)

こちらは等時の王笏コンボを採用した為、追加の神秘の教示者枠として採用に値しそうです。また、サイクロンの裂け目も持ってこれるため、非常に柔軟に使えそうです。何やら最新セットで似たようなカードが出てるそうですね(当ててない)


3:大いなる創造者、カーン

対戦相手のアーティファクトだけ起動できなくするヴィンテージ制限カード。EDHでも雑に強いけど出すと嫌われそう笑

このカードを採用するならマイコシンスの格子と宝物の魔道士まで採用したいですね(他のカードとも親和性あるので)


4:意志の力など(より低マナで打てるカウンター)

やっぱりか笑となってしまいそうですが、やってて本当にウィルが欲しい!!となる盤面が結構あります笑

1/99なので、手札になければ元も子もないですが、0/99は引けないので、可能性として欲しいよね、ということで今1番最寄りのカードショップさんの入荷を待ってる1人であったりします(過去に経験してる身として、そしてこんなご時世だからこそ、地元のカードショップの悲報は聞きたくないので、カードは敢えて通販で買わないようにしてます)。

また、本デッキは現在カウンターの最低マナ域は2なので、1マナのカウンターとして白鳥の歌もアリ寄りのアリですね。



こうして書いてくと、もうどんどん汎用パーツが収まって、自分の独自性が失われそうなのでここまでにします笑



~7:終わりに~


皆様、今回も超長文を読んでいただいて、ありがとうございます。


やっぱりSeagal氏みたいに、端的で良い文書けねぇなぁと書きながら思いました笑


今回のデッキは、かなり高いパーツを組み込んでいるし、ちょっと敷居の高い話になってしまったかもしれませんが、Seagal氏の記事にも、高額カードの有無がデッキレベルを決めるわけではない、みたいなこと書いてあったので、皆様思い思いの統率者を組み上げることをオススメします。


私が個人的にデッキを作る上で大切にしているのは『このカードでこんなこと出来るじゃん!やってみたい!』という発見だったりします。強いか弱いか、レベリングはどれ位か、というのは、作ってる最中は二の次だったりします(性格上作ってからは気になります笑)。


今回の記事が少しでも、これから統率者(EDH)にのめり込んでいきたい人にとって参考になればと思います。


それでは皆様、良きEDHライフをお送り下さい。

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